現在、企業の人手不足が深刻になっており、採用活動が厳しくなっている企業も少なくないと思います。(下図参照)
また、採用業界も変化しており、今までの採用手法が通用しなくなっているのを感じている企業もいるでしょう。
自社にマッチする優秀な人材を採用するためには、企業の本質的な魅力を伝え、競合他社と差別化しなければいけないのが現状です。
そのための一つの手法である”採用ブランディング”について、説明します。
この記事を読んで、具体的に何をすればよいか把握していきましょう!
参考:https://www.tdb.co.jp/report/economic/20241113-laborshortage202410/
簡単に言うと、採用活動において自社をブランディングすることです。
例えば、ある有名人が出ているCMといえば、この企業を思い浮かべる、
電車広告といえばこの企業を思い浮かべるなどあると思います。
これがブランディングです。
これを採用に置き換えると、一貫性のあるコンセプト・メッセージを掲載型の求人、スカウト文に持たせ、求職者にここで働きたいと思わせることです。
まとめると、企業が理念やビジョン、働きやすさなどを求職者に伝え、優秀な人材を採用するのに効果的な手法です。
採用ブランディングをすることで、自社の認知度を上げることができます。
また、求職者だけではなく、求職者の周りの人が、自社を認知してくれて自社に対して良いイメージを持っていたら、今までと比べて母集団の形成が容易になるでしょう。
また、採用ブランディング導入前の採用手法とは違い、一貫性のコンセプトがあります。
つまり、そのコンセプトに賛同している求職者が応募してくるので、事業戦略とマッチした人材の採用が可能になるのです。
そして、入社後にすぐ辞めてしまう人は、「精神的につらい」、「労働環境が悪かった」などといった入社前とのイメージの相違が主な原因となっているので、自社のイメージを正しく伝えられることができる採用ブランディングを用いれば、定着率の向上も見込めるでしょう。
ここは、準備段階です。
採用ブランディングをする目的を正確に把握し、自社分析を進めていきます。
まずは、採用の目的を明確にしましょう。欠員補充なのか、新事業拡大のための組織力強化であるのか。
目的が明確になったら自社分析です。会社の理念や職場環境を軸に自社の魅力をピックアップしましょう。
競合他社と比較した際の違いがピックアップできるとなお良いです。
優秀な人材ほど、自分を必要としている企業に行くという傾向があるので、
「どなたでも可能」といったブランディングをしてしまうと、優秀な人材を採用するのが難しくなってしまいます。
ですので、求める人物像を設定しましょう。
設定の方法としては、自社の中長期的に活躍している人を参考にすると、とてもやりやすいと思います。
また、自社に足りない分野なども分析して、設定できるとなおよいでしょう。
この2つの手順を経て、一貫した採用コンセプトを考えましょう。
採用コンセプトを決めることで、どの媒体にも一貫性が生まれ、伝えたいメッセージが浸透しやすくなります。
立案の方法としては、②で設定した人物像から共感を得られるように、設定しましょう。ここで、求職者を増やしたいあまり、ありきたりなものにならないように注意しましょう。①で決定した分析をもとに、ここに他社にはない自社独自の要素を入れましょう。
このコンセプトを途中で変えると、今までのブランディングが意味のないものになってしまいます。しっかりとターゲットを絞って、慎重に決めましょう。
コンセプトが決まれば、その求職者に合った採用ツールを選定しましょう。
形式は文章がいいのか、画像、動画がいいのか
チャネルは求人媒体なのか、SNS、Webサイトなのか
色々ツールはあると思います。
どのようなツールがあるかそのツールの特徴を整理しながら説明します。
求人媒体に掲載をしても、SNSで採用活動をしても、全てのツールの受け皿になる採用サイトはとても重要です。
最近は、採用サイトだけ採用サイト特化の会社に外注してとても凝ったサイトを作る企業も少なくありません。
ただ文字の情報になっているので、デザインなどを工夫して訪問者の興味を惹けるように工夫が必要です。
情報を端的に、エンタメと共に発信できる動画メディアは唯一無二でしょう。
また、求人媒体に動画を添付することも出来るので、一つの受け皿として採用ブランディング動画を制作する企業も増えてきています。
視覚的な情報を与えられるので、実際に働いているターゲットと同じような人物を登場させると、求職者に実際にここで働いているイメージを持たせることができます。
例えば、若くて向上心のある人材が欲しいのであれば、実際に一生懸命仕事をしている場面、上司に質問して解決する場面などを切り取って求職者に届けると良いでしょう。
求職者が「就職したい」「転職したい」という目的をもって、閲覧する求人媒体は採用ブランディングに欠かせないツールでしょう。
ただ、ターゲットとなる人物が若い方なのか、経験豊富な方なのか。新卒なのか、中途なのか。などどの人物をターゲットにしているかによって効果の出やすい媒体が異なります。
また、画像や動画を添付して届けられる媒体なのか、それともタイトルが大事な媒体なのかなど特徴も異なるため、媒体についてのノウハウがある程度必要でしょう。
ついに、媒体を選んだので、運用のフェーズです。
常にコンセプトの一貫性を維持し、ターゲットの存在を考えながら運用しましょう。
採用ブランディングは中長期的な視点を持つことが大事です。求職者に対して、また世間に対して浸透するのには時間がかかります。根気よく採用ツールの育成を続け、自社のブランディングを浸透させていきましょう。
また、「応募者があまり増えていない」や「応募者は増えたが、自社のコンセプトとマッチしていない人ばかりだ」といった内容の悩みがあれば、媒体の改善や新しい施策の導入が必要です。
媒体の改善では、主に1カ月単位で先月との応募者の比較を行います。
なぜ増えたのか、なぜ減ったのか時期などの外部要因も併せてPDCAを回すことが非常に重要です。
また、新しい施策の導入では、求人媒体を変えてみたり、求人掲載だけでなくダイレクトリクルーティングを使ったり、採用ブランディング動画を制作したりなど色々あります。
弊社の事例でいうと、採用ブランディング動画を制作してから応募者が先月と比べて2倍以上になった、ダイレクトリクルーティングのサービスを導入して応募者が増えた。などなど。
まとめると、どの媒体もPDCAを回しながら取り組み、効果が最大化するように運用していきましょう。
弊社がご支援させていただいているKeePer技研株式会社では、採用ブランディング動画を制作しました。
背景として、事業拡大のため採用の人数を増やしたいという目的のもと、新しい施策の導入として採用ブランディング動画の制作をスタートしました。
男性の応募数に対して女性の応募数が少なく、女性の応募数を増やすことで、母集団の拡大を目指し、ターゲットとしてコンセプトに合う女性の若手の方を設定しました。
動画を通して、職場環境を視覚的に発信し、女性でも働けることを求職者にイメージさせるため、女性が活躍している場面を切り取りました。(動画は以下参照)
その結果、採用ブランディング動画前後で女性の応募者が250%増え、また、月の応募数も250%程度増えました。
今回は採用ブランディング動画という形で支援させていただきましたが、採用媒体の運用など幅広い形でご支援していますので、興味をお持ちでしたら、数々の企業様で採用ブランディングの施策経験がありノウハウの知見が溜まっている弊社までお問い合わせください!
実際にここまで読んでくれた方の中でデメリットを想像できている方もいるのではないでしょうか。
実際にデメリットについて説明します。
ノウハウが多少なりとも必要で、自社のブランディングが浸透するまで、時間がかかります。そのため、採用の効果がすぐには出ないことがほとんどです。
しかし、近い将来、採用ブランディングは当たり前の手法になるので、今のうちに把握して施策を打っておきましょう。
また、媒体の運用であったり、継続的にPDCAを回しながら発信して浸透させなければいけないので、とても手間がかかります。
ブランディング動画などはとても分かりやすく、効果的ですが実際に制作するとなると、ある程度の費用が掛かります。
もし、発信内容と実際の職場環境の間にギャップがあれば、せっかく入ってきてくれた人材の早期退職の原因となります。なので、全社員が実感していることを発信しなければいけません。採用ブランディングを考えるときには、全社員の協力が不可欠です。
是非、興味をお持ちでしたら、数々の企業様で採用ブランディングの施策経験がありノウハウの知見が溜まっている弊社までお問い合わせください!